11月9日(月)、村上木彫堆朱の伝統工芸士更新試験が実施されました。
伝統工芸士とは、後継者不足等により低迷している伝統的工芸品産業の需要拡大を狙って1974年(昭和49年)に誕生した制度で、その産地固有の伝統工芸の保存、技術・技法の研鑽に努力し、その技を後世の代に伝えるという責務を負っており、産地における伝統工芸の振興に努めることが重要です。伝統工芸士は12年以上の実務経験年数有して試験に合格した人が認定され、伝産法という法律の規定に基づく言わば国家資格でもあります。現在、伝統的工芸品は235品目の指定があり、約4000名(認定のべ数は約8000名)の方々が現役として日々匠の技を発揮していますが、伝統工芸に携わる従事者の7%に過ぎない価値ある称号でもあります。
原則5年毎に伝統工芸士更新手続きが行われますが、今までは講習の受講だったものが、更新試験の受験という形になりました。これは単なる技術の高い職人ではなく、産地振興の中核を担ってもらいたいという意図からで、村上木彫堆朱の更新試験は、今回3名が該当して受験し、試験方法は、対象者が1年以内に製造した作品を持参し、試験委員(外部の人も入るのが必須)が審査を行い、産地振興への協力や技術継承への活動状況について面接試験を行いました。
試験結果は、一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会に報告され、それを受けて協会は更新試験結果通知と合格者に対する新しい伝統工芸士登録証を発行します。